東京ガス「SUMIKA Project」(2)


東京ガス(株)「SUMIKA Project」パンフレットより


2009年10月13日に引き続き、
SUMIKA Project(住処プロジェクト)」のご紹介します。


今回は、西沢大良氏 設計<宇都宮ハウス>と
藤本壮介氏 設計<House before House>に関して。



<宇都宮ハウス>
日差しを求めて移動すると、一日の生活リズムが自ずと出来上がるという住宅…



▲外観 玄関入口
光を透過する大きな屋根で覆われた平屋建てです。
写真白い部分が大屋根ですが、厚さが約80cmもあるそうです。
外観デザインに大きな影響を与えておりました。




▲内観
寝室部分には朝8時頃、キッチンには12時頃に光が当たるよう、
周囲の日照時間や角度を綿密に計算して
トップライトの位置を決定されたそうです。



▲軒裏
軒裏に開閉可能な開口が設けられており



▲内観 天井
室内の天井に通じています。夏はこの軒裏開口を開け
屋根内の自然通風で熱気を排気して室内を涼しくする仕掛け。


これにはびっくりしましたf^^;
外の空気を天井仕上もない屋根裏に直接通す!?


実際に住むというよりは、
床暖房に通常お湯を通すところは冷水を流して床冷房にするなど
さまざまな新しい試みをされたようなので
実験的住まいという印象を受けました。
今回伺ったのが気候の良い時期であった為
床冷房を体感できなかったのは残念でした。



<House before House>
家と街と森とが分かれる以前にさかのぼった
住む為の大きな領域のような場所に…





▲外観


一辺が約2.5mの白い箱を合計10個用意し、
3層に積み上げてつくられました。
箱自体は工場でつくり現場で組み上げていったそうです。


箱は少しづつ角度をつけてに組まれ、
外階段や内階段を上り下りして各部屋にアクセスする
迷路のような空間になっています。



▲内観 寝室


ベッドを置くといっぱいいっぱいの為
一見小さいような感じますが
中に入るとその小ぢんまり感が
案外落ち着ける空間となっておりました。


しかし一つ一つが区切られて開閉できる窓もない為
各部屋にエアコンが配置され、建物裏を除くと…



▲外部 建物裏


大きな室外機が並んでいます。(奥の2台はエコウィルの機械ですが)
常にエアコンを使用した生活になることを思うと
あまりエコではないかもしれないですね。


この箱たちの概念を一つの建物に納め
自然の風を取り入れるようになると、
現実の住宅へと展開できるかもしれません。


しかしながらこんな外観もコンセプトも異なる4軒の家を
同時に見ることができて本当に勉強になりました。
今回、東京ガスのK様にご招待いただいたのですが心より感謝致します。